人口の集中する都市部で、気温が周辺部より異常に高くなるヒートアイランド現象。
環境問題としてここ最近、よく耳にする言葉ではないでしょうか?
さて今回は、このヒートアイランド現象の救世主になるのではないか…という製品、
「フラクタルひよけ」をご紹介します!
「フラクタルひよけ」ってどんな製品?
フラクタルひよけは、ご覧のような不思議なパーツが組み合わさって出来ています。(2畳で60枚)
このパーツは幾何学図形のひとつ、「フラクタル」図形を元に作られているとのこと。
「フラクタル」図形は、自然の中に多く存在している身近な存在だったりします。

例えば樹木の枝分かれや海岸線の法則など。木陰が涼しいのは、隙間だらけだけれ
ど日差しを防げる「フラクタル」の法則のおかげなのではと言われており、そこから「フラク
タルひよけ」という発想が生まれたそうです。

実際に「フラクタルひよけ」を見ると、グリーンの布地パーツが一枚ずつ縫い合わされ、
一枚のひよけになっています。
手縫いで仕上げているせいでしょうか、ハンドメイドのあたたかみがあります。
ひよけに使用されている布地は、素材・織り・厚み等…様々な種類の生地を試行錯誤、
今のものに行き着きました。

今回取材にお邪魔したのは東京事務所の方だったのですが、ひよけの下にリクライニン
グ・チェアがゆったりとセッティングされ、簡易リゾートスペースのようになっていました。
「是非座って、フラクタルひよけの下を体験してみてください」と開発者の方にすすめられ
たので、お言葉に甘えて座ってみました!

残念ながら室内なので、日差しの下で本領発揮するフラクタルひよけを体感することは
できませんでしたが、リクライニング・チェアから自然と視界に入る緑のフラクタル模様が
木陰をイメージさせてくれ、なんとも心地が良いです。
日よけとしての役割だけでなく、インテリアとして室内にあってもいい気がします。
また、単なるアイデア商品に収まらない、温室効果ガス削減のサポートになりうる画期的な
商品であることがこの度評価され、2009年グッドデザイン賞のベスト15候補に選出。
見事、金賞を受賞しました!
フラクタルひよけのココが凄い!
さて、以下にフラクタルひよけの凄いところをまとめてみました。
熱を発散するフラクタル構造
フラクタルひよけの下と、ひよけのないタイル地の温度がどれだけ違うのか実験した結
果が下のサーモグラフィー写真です。タイル地の温度は50℃前後、フラクタルひよけの
下は30℃〜35℃程度(気温と同じ温度)という驚きの結果。

熱画像:京都大学人間・環境学研究科、相関環境学専攻自然環境動態論講座、
地球環境動態論分野 酒井 敏 教授より
特に注目して欲しいのは、ひよけ自体の温度の低さです。
フラクタル構造が熱を発散するため、ひよけ自体、日かげともに温度が低いという結果が出
ています。
次に、フラクタルひよけとトタン屋根で日差しを遮る実験をして比較しました。
下の写真をご覧ください。

熱画像:京都大学人間・環境学研究科、相関環境学専攻自然環境動態論講座、
地球環境動態論分野 酒井 敏 教授より
サーモグラフィの色で分かる通り、左のフラクタルひよけの方が全体的に青く(温度が低い)、
トタン屋根の方が全体的にオレンジ色(温度が高い)になっています。
何故トタン屋根の方が温度が高くなってしまうのかと言うと、屋根自体が熱を吸収して
屋根の下に向かって放出してしまう為。
よって、隙間だらけのフラクタルひよけの勝利!と言えます。
耐久性が優れている
隙間だらけ構造になっているので強風にあおられにくく、台風にも耐えられる。
取材中、ふと耐久性が気になったので開発者の方に尋ねてみたところ、「先日の奄美大島にき
た台風の日も、屋外設置のままでも大丈夫でした」という心強い答えが返ってきました。
最大風速55m/sという台風の非常に強い風にあおられても、隙間から風を逃すフラクタル構造
のお陰で、破れたりフレームが曲がるといったことも無く、屋外での耐久性が証明されました。
エコロジカル・フットプリント=0(ゼロ)

折りたたんでコンパクトに持ち運びができる。輸送コストがきわめて低く、2畳程度のサ
イズであれば、大人1人が手で持ち運びできる軽さ。
ひよけ部分の布も、家にある端切れで作れば、コストがかからないなど、
輸送コストや製造コストがかからない、つまり
エコロジカル・フットプリント=0(ゼロ)を可能にする、ひよけです。
フラクタルひよけ1000枚プロジェクトの提案
開発者の方いわく、
「日本人全員が1人当たり1000枚のフラクタルひよけを作れば、今の日本が抱えているヒートアイランド現象を解決できます」とのこと。これはかなり現実的な数字です。
千羽鶴ならぬ、千枚フラクタルひよけ…ぜひ実現したいものです。
(手芸の得意な方は1日で60枚(畳2枚分)を縫うことができます。)
ただ、最終的には樹木を植えるべきだ、と開発者は更に続けます。
「樹木を植え、育てるにはたくさんの時間と手間がかかります。樹木が成長するまでの間、フラクタルひよけが緑と都市をつなぐものになればいい」
ひよけという枠を超えた、新しい都市デザインの提案として、フラクタルひよけはこれから
大いに活躍するでしょう。

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