聞いたことはあるけど、誰かに説明しようとするとなかなか難しい技術用語、
皆さんにも1つや2つはあると思います。

2010年第1回目のピックアップである今回は、「聞いたことはあるけど説明しにくい」技術用語を
取り上げ、わかりやすくカンタンに解説いたします。


◎安心・小型の夢の次世代デバイス 「MEMS(メムス)」
◎光よりも優れている!?光のしずく 「近接場光」
◎最近はCMでもお馴染みの省エネ技術 「ヒートポンプ」


安心・小型の夢の次世代デバイス 「MEMS(メムス)」


MEMSとは?

MEMS(メムス)とは、あらゆる情報を感知・認識して、行動を起こすように機械へ信号を送る
装置(デバイス・システム)のこと。
Micro Electro Mechanical Systems(微小な電気機械システム)の頭文字をとったもので、
ゲーム機器やプリンター、体温計など、身近な電化製品の中に入っている部品の一つです。


形は、シリコンなどの板の上に、センサー(動きや温度などを感知する仕組み)、アクチュエータ(機械を指示通りに動かす仕組み)などが乗ったもの。それぞれの仕組み同士で信号を受け取り、送り合いながら、機械を指示通りに動かす大切な役割を果たしています。体の器官におけるタンパク質の役割と似ていることから、“産業のマメ”と呼ばれているんですよ。

MEMSの特徴は「高機能」「低コスト」
◎小さくて使いやすい
◎比較的長持ちするため、信頼性が高い
◎センサ自身に機械的調整が要らない
◎半導体が集まった部品なので量産しやすい
◎周辺回路が集まっているので高付加価値が維持できる

どんなところに使われている?

インクジェットプリンタのプリンターヘッドに組み込まれることで、指示どおりに印刷
耳式温度計の赤外線センサ内に組み込まれることで、体温を感知して表示
ゲーム機の加速度センサに組み込まれることで、コントローラーの動きに合わせて、ゲームのキャラクターが動く
携帯電話のマイクロホンに組み込まれることで、衝撃や温度変化にも負けず、しっかり音を拾って伝えてくれる


今後期待されているのは?

【光通信分野】 機器の通信速度が速くなると共に、正確な情報をやりとりできる
入力された光信号を鏡で反射して、光信号のまま別の経路に出力する光スイッチなどへMEMSを応用し、スキャナやプロジェクタに組み込むことで、通信速度の高速化や信頼性
向上の実現が期待されています。

【医療・福祉分野】 どこでも携帯できる安価で小型の生体成分検査キットが実現
家庭で自分の体をモニタリングすることが可能に。体のたんぱく質に反応すると光学的な特性が変わるようなバイオ材料を、MEMSと組み合わせることで、がんや肝炎など病気の症状を信号として取り出すことができるようになり、予防医療の実現に貢献します。

 

 

光よりも優れている!?光のしずく 「近接場光」


近接場光とは?

近接場光とは、光の波長よりも小さな物質に光を当てた際に漏れる特殊な光のしずく。狭い場所で身動きがとれなくなることと同じ原理で、レンズによって光を絞るよりも小さな光のスポットを得ることができます。


どんなところに使われている?

顕微鏡の計測(光の波長よりも小さい性質をもつため、光学顕微鏡より小さなモノを計測できる)
半導体製造など、微細な加工が必要な製造現場


今後期待されているのは?

よりコンパクトで大容量の記録が可能な装置が出現
(CDやDVDなどの記録装置に応用することで、微細な読み書きができるようになり、記録容量が大幅に増加)
極小の高性能半導体装置が生まれる
(微細な光加工が可能になる)
より小さなものが見える顕微鏡
(光波長よりずっと小さいモノを計測・分析できる)

 

 

最近はCMでもお馴染みの省エネ技術 「ヒートポンプ」


ヒートポンプとは?

ヒートポンプとは空気中の熱を利用し、冷房や暖房などにエネルギーを有効活用するシステムのこと。

物質が液体から気体に変化する時に周囲から熱を奪って物質を冷却する性質や、
気体から液体に変化する時に周囲へ放熱して物質を加熱する性質を利用して、
冷却・加熱をする仕組みです。

    冷房の時は、室内の空気の熱をくみ上げて、室外に出し、
    暖房の時は、室外の空気の熱をくみ上げて、室内に出します。

 

実は、ヒートポンプ技術を利用した日本製エアコンの性能は世界トップレベル。
消費電力の約7倍以上の熱エネルギーを利用することができます(通常は約3倍程度)。

ヒートポンプの特徴は「環境にやさしい」「低コスト」
◎CO2排出量が削減できる
◎環境汚染が少ない
◎電力によってつくりだすエネルギーが少なくなるため、発電エネルギーの節約につながる
◎日本中のいたるところで利用が可能
◎メンテナンスの回数が少なく、耐用年数も長いため、ランニングコストが安い

 

どんなところに使われている?

キッチンやバスルームで使うお湯を空気中の熱を使って沸かす「エコキュート」
ビール工場で麦汁を煮る際に出る水蒸気から熱を回収して再利用するシステム(工場の排熱を利用)
木材の割れ防止(冷却により、空気を除湿し、空気が液体に変わった時に出る熱を熱源として再利用)
◎ヒートポンプで温度調節を行う自動販売機
洗濯乾燥機における衣類乾燥

今後期待されているのは?

・地中熱や太陽熱などを利用したヒートポンプも出現。世界各地、各家庭へさらに普及させることで、地球温暖化問題の対策に
コンパクトで性能を兼ね備えたヒートポンプの開発
CO2が出ない街づくり
・寒冷地でもエネルギーを効率的に取り出せる方法の開発(エネルギーを取り出す際に使うCO2などの冷媒や、つくり出した熱を蓄える蓄熱槽の素材開発など)

空調や給湯などの熱需要が、可能な限りヒートポンプシステムで賄われた場合、1年でおよそ1.3億トンの
CO2を削減できる見込みがあるといわれています。 これは日本で1年間に排出するCO2量の約10%。
国の政策として、京都議定書目標達成計画でエコキュートの普及目標を立てるなど、ヒートポンプは、特に
重要な温暖化対策技術と位置付けられています。




少しはお役に立てましたでしょうか?
日々、進化する技術。それと共に新たな技術用語が続々出てくることでしょう。
さて、2010年は、どんな技術が世に出るのでしょうか。今後も日本の優れた技術に期待したいと思います。

そうだったんだ!誰かに教えたくなる技術用語特集