今年は連日の猛暑が続き、野菜の価格高騰が目立ちました。近年、農業を取り巻く環境には、地球温暖化に伴う天候不順以外にも、生産者の高齢化や健康志向による無農薬野菜への人気など、多くの問題が混在しています。

本特集では、いま話題の植物工場などで使われる「植物の生育促進に適したLED照明器」をご紹介。

当LED製品を開発・販売するのは、神奈川県横浜市の赤レンガ倉庫にほど近いビルにてオフィスを構える、株式会社キーストーンテクノロジー(以下、同社)。今年2010年9月21日に発表された、第27回神奈川工業技術開発大賞(神奈川県と神奈川新聞社との共催)において「地域環境技術賞」を受賞され、注目を集める同社の魅力に迫りました。


◎きっかけはエレクトロニクスと農業の融合
◎LED光源で植物を栽培するメリット
◎農業を身近な存在へ ― 未来型農業を支える技術開発

横浜馬車道ハイカラ野菜

きっかけはエレクトロニクスと農業の融合


同社はもともと、測定機のエンジニアをしていた岡崎社長の経験をもとに、「プリント基板.net」というインターネット媒体にてプリント基板の請負製作・販売を行う事業から始まりました。そのため、LEDをはじめとする電気関連技術に関しては専門分野。基板づくりで培ったノウハウを活かし、さらに事業を拡げていける期待が大きい市場として着目したのが、「LED光源における植物栽培」でした。

5年前より着手した植物栽培事業ですが、相手が植物なだけに同社長いわく「初めの2〜3年は苦労した」とのこと。植物生理学をはじめ、あらゆる学問を学び、研究・実験を重ねた結果、ようやく2年前に軌道に乗り出したところだそうです。

LED菜園

現在は徐々に引き合いも増えており、農家のビニールハウスからレストラン主体のハーブ栽培をはじめ、大手企業の植物工場建設や海外からの問い合わせなども多くあるそうです。


LED光源で植物を栽培するメリット


植物の生育促進に適した光は、主に2種類。
赤色の光は、光合成を促す効果を、青色の光は茎を太く、実を大きく、葉を厚く、といったように植物を大きく形作り成長させる光形態形成の効果があります。

また、赤・青の光の中でも、赤は波長660ナノメートル前後、青は波長470ナノメートル前後が最も有効。つまり、植物はあらゆる可視光線のうちの一部しか利用していないのです。

そのため、植物が必要としている波長の光だけを当てることが、効果的な植物栽培を行う上で最も有効。いつのタイミングで、どれくらいの時間、どの波長(何色)の光をあてればよいかさえ分かれば、常に最適な環境で栽培することができる上、無駄なエネルギーを使うことなく、コストもかかりません。その点、LEDは、蛍光灯に比べて、波長などのコントロールがしやすい性質を持つため、消費電力を抑えながらも効果的な栽培を行うことが可能。省エネで効率的な植物栽培に適しているのだそうです。

 


農業を身近な存在へ ― 未来型農業を支える技術開発


これまでの栽培方法をLEDにどう置き換えるか、ではなく、植物の生態・成長に適した環境をベースに、どのように最適な環境を再現していくかを考えている同社。21世紀の未来型食料生産・流通を支える存在を目指して、進歩を続けています。


最も植物栽培に適した赤色のLED光源を独自開発

植物の生育を最も効果的に促すことができるLED光源(4元系 AlGalnP 赤色 660nm)を独自に開発。

 

省スペースで初期コストの低い完全制御Cell型植物工場をご提案

初期コストが最低何億円、などといった相場の植物工場。同社では、自家用車1台分ほどの価格からできる完全制御Cell型植物工場をご提案しています。スペースは右のお写真の大きさのラック(4段の棚がついて1台)で畳1畳ほど。4台並べて1ユニットとなり、ちょうど自家用車1台分の駐車スペースに相当します。

このユニットで、月産レタスはおよそ4800個。全くの素人でも、すぐに慣れることができる生育法なので、例えば定年後の退職金を使って、といった具合に、誰でも気軽に始められます。

アグリ王


その他、家庭菜園向けから植物工場向けまで、用途に応じて様々な製品をインターネットで
紹介・販売していますので、ご興味のある人は覗いてみてはいかがでしょうか。

 

◆植物栽培・植物工場・室内菜園支援ショップ 「LED菜園ドットコム」   http://led-saien.com/
◆植物工場・植物栽培用LED照明器の製造・販売なら 「植物栽培用LED照明.com」                                 http://www.agriphotonics.com/index.html


驛の食卓


「何でもイチから挑戦しようとすると、相当なコストがかかる。自分が今持つネットワーク・強みを軸に、発想の転換をするだけで、新たな道が開けてくる」

自社がもともと持つエレクトロニクス分野での強みを活かしながら、社会でもニーズの高い製品を独自開発し、事業を拡大することに成功した同社。今後は、野菜の鮮度を落とさない梱包・配送方法など、LEDを用いた開発対象は、植物工場だけに留まりません。

株式会社キーストーンテクノロジー 岡崎社長は、今回の取材の中で、こんなことを話してくれました。

「まだまだ小さな会社ですが、自分の軸さえブレずに研究・開発を重ねていると、
自然と同じ目的を持つ企業の輪が広がっていくんですよ。まだまだ不況は続きますが、こうした輪に
よって、新たな産業の発展や、世の中のお役に立てればいいですね」

株式会社キーストーンテクノロジーの成長の原点は、こうした企業や人の輪にあるのかもしれません。



お問合わせ先

株式会社キーストーンテクノロジー
http://www.keystone-tech.co.jp/index.html

〒231-0011
神奈川県横浜市中区太田町5-68-5 明和ビル2F
TEL 045-222-3117
FAX 045-222-3118
E-mail info-jpn@keystone-tech.co.jp

 

未来型農業を支える存在へ LED光源による植物栽培