生命のエネルギーを表現する日本画家 川田恭子のご紹介


2010年を迎え、早1ヶ月近く。今年最初のミュージアムは、前回から引き続き
日本画家 川田恭子さんをご紹介します。

川田さんの作品の中には、現実世界にはない動物が登場したり、時空が混在していたり、といった独特の世界感を醸し出す作品が多いことが特徴のひとつ。そのルーツは一体、どこにあるのでしょうか。

まずは、日展で特選を受賞された作品を含む、3作品をご覧いただきましょう。

 

幻の都市 (日展2002の特選受賞作品)

遺跡が沈む深海の中を、悠々と泳ぐアロワナ。その堂々たる姿と暗闇に包まれた遺跡との対比により、人間がつくった世界が淘汰されていく様子を表現。
生命の根源を彷彿とさせる、静かで壮大な作品です。

 

煌めき (日展2004の特選受賞作品)

深海の遠くに光るナイフのような煌めきと、それを一心に見つめるアロワナ。
アロワナには何が見えているのだろう、そんなことを考えるうちに、いつのまにか
引き込まれてしまいます。未体験・未知の世界にある、楽しさや喜び、そんな見え
ない空間の煌めきを切り取った、好奇心旺盛な川田さんならではの作品です。

 

鱗栄

川田さんが、初めてアロワナを描いた作品。「色で性格が見えてきたら・・」との想いから描かれた、色とりどりのアロワナはどれも個性豊か。それぞれが連なり、
自己主張しあう姿は、私たち人間の住む世界に似ているかもしれない、
そういった共感をおぼえる作品です。

 

さて、冒頭にもありました通り、ユニークな川田さんの作品の原点は、一体どこにあるのでしょうか。疑問を川田さんにぶつけてみると、一つのキーワードが浮かび上がってきました。

「命のエネルギーや命の気配」。


川田さんは制作する際、生きているってどういうことなのだろうか、とよく思う
のだとか。作品の原点となっているのは、 地球上の生き物の命は、太古にさかのぼって考えると、全て自分自身とつながっているという思い。

現実には存在しない生物が登場したり、時空の混在する空間が舞台になっていたりすることが多いのは、川田さんご自身が、空気、水、あらゆるエネルギーの中にある生命とつながっていることを感じたいからかもしれない、と話してくれました。


今後は、目に見えないところの深い心の世界、未知の可能性のようなものを見つめて描いていきたいとのこと。これからどんな世界が描かれていくのか、次の作品が楽しみですね。



次回は、川田恭子さんをご紹介する最終回。
川田さんが考える画家とものづくりの共通点についてうかがいながら、新たな作品の可能性に迫っていきます。

川田さんの作品に興味がおありの方は、こちらよりお問合わせいただけます。