
芸術とは持っている厳しさが違うだけ―黒須信雄から匠へのメッセージ
最終回の今回は芸術の匠である黒須さんから頂いた
製造業と匠たちへの思い・メッセージのご紹介です。
私もかつて勤めていたときに少しですが製造業に携わったことが
あります。
今、私がやっているもの(作品)は誰かに使ってもらうものというより、
それ自体に価値があるものですが、基本的に作ることにおいては同じに広がりを持つのではないかと。
ある種機能性に特化するか精神的な価値の基盤になるものかの違いだけだと思っています。
おそらく『美術』をやっているのには自律的なあり様を継続させていく
厳しさがありますが、仕事としてものを作っている人には「受け手」が
いることが前提にある厳しさがある。
こういう感覚を私たちは学び、それに触発されています。日々の作品とは別に仕事として【こういうものをこういう条件で描いてほしい】と言われた時に『自分はこう描きたいから』じゃだめですよね。仕事として依頼に対して常に応える、そこに尊敬の念があります。
また、昔の経験からなまじ知識があるより経験として一つのことを
やり続けることが、どんなことに関しても重要で価値があるのでは、
と思います。
最後に、黒須さんの作品の中でも今までご紹介した作品とは別の切り口の作品をご紹介します。

生滅記 2009
「THE LIBRARY」展への出品作。
黒須さんは黒い紙・白いインクを使用し木版画のみで
500ページにわたる本を制作しました。
1ページ目は白い円が描かれ、ページをめくるごとに
1本、また1本と黒い線が引かれていきます。
最終的にページ全てが黒に染まるその様子は
まるで何かに浸食されていくかのようです。
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前回ご紹介した川田恭子さん、川田夏子さんと共作されたグループ展での作品。
3フロアを使って各フロアごとにメインの作家を立て、
3人で共通のテーマに沿った作品を制作されたそうです。
この画期的なグループ展を開催された理由は
黒須さん曰く『丁度3人共、作品に新しい切り口が欲しいと思っていたから』だそう。
これから先、こんな風にタイミングが合うことは無いだろうとも仰っていましたが、
試みとしてとても興味深いので個人的には期待しています。
さて、3回に渡って黒須信雄さんの作品を取り上げてきましたが、
いかがでしたでしょうか?
黒須さんの作品については、>>こちらよりお問合わせいただけます。
展覧会『カイガのカイキ』のお知らせ
現在足利市で開催中の展覧会に出展中です。
会期:2010年4月10日(土)〜6月13日(日)
場所:足利市立美術館

